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インテ行ってきます

インテ行ってきます。
楽しみにしていたクーザの4列目のチケが払い戻しする羽目になってしまいましてね…orz
勢いでインテ行き決めちゃいました^^;
楽しんできますっ!

折りたたみに、ちょろっと書いたタソガレドキの習作を。
山←雑気味です。

続き

 夜更け、タソガレドキ陣中。忍組が潜む闇に佇む影が一つ。
 それはまんじりともせずその場に居た。

「待たせたね」

 大柄でありながら、風一つ動かさず現れた男がそう声を掛けるまで。

「おかえりなさませ。殿はなんと」

「相手は難攻不落を誇る城、籠城に持ち込まれてはしょうがない。兵糧が尽きるか、何か不測の事態が起こるのを待つしか無いだろう。……とのことだ」

 含みを持つ言い方をする男に、影も察した。

「成る程……その不測の事態をいち早く把握するものが必要ですな」
「それは私と陣左がしよう」

 思いがけぬ言葉に影はあからさまに眉をしかめ、苦言を呈す。

「何も組頭が行かずとも……御身に何かあったら忍組はどうなります」
「その時は小頭が束ねればいいんじゃない?」

 組頭と呼ばれた男は、はさも当然のように言葉を紡ぐ。

「そもそも頭一つ潰れた所で揺らぎなどしないだろう、我がタソガレドキ忍軍は」

 そこにあるのは揺るぎもない信頼。嬉しく思うは本心なれど、この奔放な上司を諌めるのも影の仕事だ。わざとらしく咳払いをしてみせ、無駄と知りつつ再度の苦言を口にする。

「ご信頼ついでに部下の力量も信用頂けませぬか。私と高坂でも任務に支障はありません。敢えて組頭が行かずとも……」
「大丈夫大丈夫。今宵は新月、殿は忍組を含む全軍にゆっくり休むようにと命ぜられた。勿論、我々も……上手く頼んだよ」

 私はそういうのは不得手なものでね、と右目だけで笑みを作られてしまうと影には逆らう術がない。昔からこの年下の男の笑みには弱いのだ。

 大きくため息を付くと、影……忍組小頭山本陣内は膝を付き承諾の意を伝えた。

「委細承知。……お気をつけて」

 もう一度深々と頭を下げると、影は静かにその場を去った。

 残された男はその場を動こうとせず、影の消えた方をただ見つめている。
 常には飄々として感情を読ませない男の目に様々な感情が浮かんでは消える。信頼、憧憬、恋慕、諦念、憎悪、愛情。
 遠くにあった野営の喧騒が鳴りを潜め螢惑星の沈む頃。小さく一つ息をつくと男は動きだした。

「いくよ、陣左」
「はっ」

 男の目に感情の色は既に無く、いつからか控えて居た青年と共に闇の向こうへと消えていった。


 星の冴えた新月の夜。……今宵、戦が動く。